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■気配を感ずる空間配置−「建築の肺」コート・テラスI(東京都)

●都内の高密度な場所に建ちます。半地下に音楽スタジオ、1階に玄関と駐車場、2階に一家団らんの空間と高齢者の部屋、3階に個室という構成です。 設計のポイントは2階の中庭=コート・テラス。視界の閉じた廊下を進んで階段をかけあがった2階に、パッと視界が開けたように中庭(コートテラス)が現れます。
●テラスは室内とほぼ同一の高さとし、床の素材も室内となじむ木を使用しています。開口部の建具はすべて引き込めて内外が一体になります。通風、日照、採光と同時に視覚的 な一体感のある空間の拡がりが確保できま

す。日照・通風・採光空間の拡がりを確保でき、居間から高齢者の気配が察知できます。 ここは「建築に内蔵される外部空間」であり、周囲の密集化や喧燥化をよそに「これあればこそ生きられる建築の肺」なのです。

畑 亮
構造規模 RC造一部S造、1B-3F、延 263.9
長谷部住建(株)
/水谷健一、厚田茂男
掲 載 誌 すまいのくらし、
住まいづくり百科No.65ほか


東外観
個室のある3階は道路・北側斜線などの制約上、鉄骨造で円弧とし、最大限の空間を確保した。2階までの高さと素材は周囲の街並みにそろえた。

半地下-中庭-家族室と続く



コート・テラス
和室・中庭・居間は一体化し、
老婦人の気配をうかがえる

コート・テラス上部
高密度地区に
庭をもてる

2階・和室の天井
旧宅をもとにデザイン




居 間
コート・テラスの木質系素材に全てあわせる。造り付け家具、市販の家具、床の素材など、ゆっくり寛げる簡素で落ち着いたインテリアを目指す。

3階書斎コーナー
北側採光は書斎に最適。ブラインド入りのルーフウィンドで採光と通風を。

2階浴室よりライトウエル
ライトウエルは3階−地下と竪方向に貫通する光の筒。大和張り板塀で通風も確保できる。



3階・子供室
天井は屋根に合わせる

地下スタジオ
お嬢さんの演奏、ご主人の剣道、奥さんの手芸など

1階玄関ホール
左手ドアはスタジオ入口